OTR、再開発の鍵を握るLiberty Streetの北側、3CDCが開発に意欲を見せています!

 シンシナティでここ数年、最も熱い地域とされるOver-The-Rhine、通称、OTR、Vine Streetから南は、センスの良い店舗や起業家達のメッカとして活況を呈しています。しかし数ブロック先のLiberty Streetから北側は、OTR再開発10年計画の中で、やや停滞気味なんですよね。

Findlay Market近くのPleasant Street
Findlay Market近くのPleasant Street

 しかし言い方を変えれば最も伸び白がある訳ですので、誰が再開発を担うのかに注目が集まっていたところ、現時点ではThe Cincinnati Center City Development Corporation、長いので略称、3CDCが最有力という記事がcitybeatに掲載されていました。http://bit.ly/UZQT4k

 ただまだ本決まりではなくPreferred Developer、つまり有力ではあるものの、他の開発業者との競合の上、案件を受注する必要があります。そうは言っても本命の3CDC、実際にOTRの南半分には約300億円を投資、奇跡的な地域再生を成し遂げた手腕は高く評価されているんですよね。

 しかし反面、低所得者を立ち退きさせ、社会保障サービスを追い出し、結束力の強かった昔ながらのコミュニティを変貌させてしまった手法には、疑問を持つ人が多いのも事実です。しかもLiberty Streetを境に平均世帯所得も大きく異なり、南側は2011年調査で$40,000の上、更に上昇中、それに対して北側は$11,000からより一層下降していますので、低所得者層から3CDCの開発を警戒する声が大きく挙がっている訳です。

 さてこのような背景を基に、私見を述べておきたいと思います。まず米国東西海岸沿いでは、高頭脳・高技能職が流入することにより、古くから居住していた低中所得者層を結果的に追い出す現象が起きています。ここシンシナティではそういった動きがあまりありませんでしたが、今後、近隣他都市、例えばコロンバス・レキシントン・インディアナポリス等と高所得層確保を争う意味では、OTRのような歩ける地域の発展が不可欠です。

 その意味ではやや強引でも3CDCに音頭をとってもらい向こう数年間で開発、同時に低所得者層向けの住居施設を3割程度残すというのが最も現実的だと思っています。いずれにしても当面、OTRからは目が離せませんね!